石場建てと伝統工法

石場建てと伝統工法

石場建て

日本に昔から伝わる伝統工法で建てる家は、骨組みは木、壁は土、屋根は瓦土葺きです。
木と木を組み合わせ骨組みを作ります。
また、壁・屋根・床下に至るまで木を組むにあたり、一切の金物を使わないことが大きな特徴です。
なぜ、金物を使わないか…、その理由は木と金属の相性が良くないからです。
木は金属を嫌い、その働きによって金属を外側へと押し出そうとします、長い間には釘やビスなどの金属系の部品が緩むことも考えられるということです。

伝統工法は、金物の代わりに複雑に作られた切り口を組み合わせ木をつなぎます、この木組みは将来にわたり弛むことはなく強固に骨組みを守ります。
多くの重要文化財として今なお残るお城や神社仏閣にはこの工法が用いられ、数百年経過した今も現存しています。

同じように伝統工法の建物ではコンクリートの基礎を使いません。
なぜ、コンクリートを使わないか…、こちらの理由も木とコンクリートの相性が悪いからです。
コンクリートは湿気を含む特徴があり直接木をあてがうことができません、現代の基礎工事では土台となる木とコンクリートの間にパッキンやゴム板などを挟み直接接しないように施工し金物で固定します。

コンクリートの代わりに石の基礎を使用する工法を『石場建て』と呼んでいます。
『石場建て』は石の上に直接柱を乗せ、柱と柱を床下の梁でつなぎます、このつなぎももちろん木組みによってつなぎますので金物は使いません、床下を強固に支えます。
このように昔から伝わる家造りは、材料と材料とがしっくりくるように考えられていて、その結果として長持ちする家に仕上げることができるのです。

さらに、伝統工法の家は床下がコンクリートの基礎でおおわれることがない為、いつもあらゆる方向から風が吹き抜けています。
その結果、床下が傷むことがなく、住まうご家族にいつまでも安心してお使いいただくことができます。
それはお城や神社仏閣が数百年以上にわたりその姿を変えないまま建ち続けている事と同じです。

骨組みは木組による木、床下を支える基礎は石、壁に至っては土と藁で作ります、屋根も土から作り燻して作った瓦と土と木の皮を重ね作ります。

伝統工法の家は、そのどの部分も自然の材料から出来上がる、地球や住まうご家族の皆様に優しくすぐれた環境を提供します。
化学的に作られた材料も使用しませんので、室内の空気はいつも清々しく保たれます。
現代の建築基準法では、このような伝統工法の建物を建てることは大変難しいですが、気候風土適応住宅として適応される様々な手続きなどを進めることで石場建ての建築も可能になります。
石場建ての住宅は、現在の建築基準法の範囲では難しい造りであることは間違いないですが、様々な利点があることを踏まえ、この先も進めて参りたいと思っています。

株式会社 風はこの手続きを進めており、石場建ての伝統工法の家造りを皆様にご紹介させて頂きます。
追って建築現場の写真や事例など、ご紹介してまいります。

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