自然のままの暮らし方ができる
山の家
[美浜町・K様邸]

①家を造ることを考えたとき、何を中心にお考えでしたか?

不自然なものを取り入れずに快適に暮らせること。

②株式会社 風にご依頼をいただくことを決定づけたものは何ですか?

エアコンを必要としない暮らしに無理がなく、それを実現するために必要なものが自然素材から成る土壁と瓦屋根、それらを支える木の家であることを教えていただいた。シンプルな素材を用いたシンプルな造りの家は、家の一生を考えたとき環境への負担が少なく、途中不具合が生じたとしても早期に発見でき、板一枚、瓦一枚の最小限の単位から交換が可能で経済的にも負担が少ない。
これら風の家の要素はそれまでの私たちが生きてきた道筋、その先に向かおうとしている方向と合致した。
風の家を知ったことが家を建てるきっかけとなった。

③間取り決定までに感じたことや考えたことをお教えください。

既成の間取りに暮しを合わせていたため、自分たちにとって真に暮らし易いとはどんな形なのかを、自らを観察し白紙から考える必要があった。
そのため持つべきものについて考え直す機会にもなった。
暮らしの中の不便、不満をお伝えすること、自身を観察することで間取り構築作業を進めていったが、それこそが施主として利を得られるかどうかの要であることを強く諭された。
この作業は非常に楽しいが、決めるということは簡単ではなかった。素人がこんなこと決めちゃっていいのか?と思うことも多々あったが、では人任せで自分たち固有の暮らし易さが形になるかと言えばそうではないことはよく認識していた。

④建築途中に感じたことや考えたことをお教えください。

職人の皆さんが仲の良い様子で見ていて心地よかった。
棚などの希望を伝えるために手書きで平面図を用意した。わかりにくい点も多々あったと思うが十分に理解して実現していただいた。
現場に居合わせた際に大工さんから用意した平面図について確認されたり、こちらの希望をお伝えすることもあった。
水道屋さんに水栓の位置は「ここ👇」と直接お伝えしたこともあった。
そのようなことがあったので、出来るだけ現場に足を運ぶことでちょっとした使い勝手の良さをピタリと得ることができたので良かったなと思っている。

⑤完成した時の感想をお教えください。

もちろんとてもうれしかったが、もう職人さんたちが来なくなるのかと寂しくもあった。

⑥お住まいになられてから感じたことや考えたことなどお教えください。

最初は美しすぎる我家を汚したり傷つけたりするのが嫌で気楽に過ごせずにいた。
家と住人と、そして土地とが互いに歩み寄って馴染むにはそれなりの時間がかかると実感している。
エアコンを必要としない住まいの条件はそろっているが、その住まい方にはコツも経験も必要となる。
「大丈夫」な経験を重ねていくうちに風の家の良さがますます身をもって感じられている。
大丈夫?に対してその都度親身になってご助言いただき心より感謝申し上げます。

台所のシンプルな換気扇は確かに良い。扱いが簡単で苦にならないので頻繁に掃除ができる。

どの部分をどの職人さんが造ったのかを知っています。
住まうことまる4年、変わらず大切な私たちの家です。
帰宅すると、今でも檜の良い香りがしています。

⑦質問の内容について、またはそれ以外について、内容は問いません、ご意見やご感想を御記載ください。

持ち込みの家具について。
間取り取り決めの打ち合わせの中で造り付け家具の良さについてお話しいただきました。
幸い私たちはそれまで引っ越しが多く、小さな暮らしで小さな持ち物だったためほとんどの場所に造り付け家具を採用できました。
友代さんが「それは待ちこむな、とは言えません。」とおっしゃっていたのを思い出します。
実際、自分たちで持ち込んだ家具は少ないのですが、後々それらがカビて悩みの種になることになりました。
新居への引っ越しに合わせてそれまで持っていなかったすのこベッドを購入、自然素材、自然塗料、サイズの融通、その観点で選びましたが、カビない木材という目は全く持っていませんでした。
おかげさまで、今ではカビないものの目利きになりましたが当時この目を持っていたら、と梅雨の時期には思うものです。
建築家のお立場で、持ち込みの家具にまで言及するのは難しいことかもしれませんが、間取り打ち合わせの段階でもし新たに家具を購入しようとしているお施主さんがいらしたら、「国産無垢ヒノキ、カビないから後々楽ですよー」と教えてさし上げるといいんじゃないかなー、と差し出がましく思うのでありました。

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