えつろを編み荒壁つけへ

2026.03.08

建前の後 屋根工事と続きいよいよ壁の製作にかかります

 

伝統工法で定義する壁は土壁です

土壁は このあたりでは「えつろ」と呼ばれる竹木舞・

荒壁・中塗り・仕上げ塗りという工程で構成されます

現場では「えつろ」~荒壁の作業が進んでいます

 

「えつろ」を編みます

竹を引き割ったものと細く丸い竹をわら縄で編みつけます

 

 

竹を交差させ貫(ぬき)という材料に固定します

わら縄を使って編みつける理由は

数百年土壁の中にあっても変質したり

腐らないことが実証されているからです

えつろは土壁の中で生涯人の目に触れることなく

その力を発揮し壁を強固に支えます

 

 

えつろが完成しました

この後の荒壁付けでこの姿は見えなくなります

 

 

現場に土を運び込みます

 

 

職人さんの感覚で土の粘りや硬さをはかり

藁を混ぜ込み調整します

荒壁とは土に藁を混ぜて「発酵」させたものです

時期により状態が異なる為

職人さんの感により「ちょうどよい」状態に整えます

 

「発酵」の力を借りて 食文化が発展してきました

建物もこの「発酵」の力により人と木を健全に守ります

 

 

まずは片面 表塗りです

 

 

編みつけた竹の間から「ぐにゅっ」とはみ出すまで土をつけます

 

 

この後つける裏返しの土がしっかりと

表塗りの土にかみ合います

「発酵」により強固になる土ですが

その効果は計り知れなく

匂いを分解したり空気を清浄したり

安息効果をもたらしたり・・・

特筆すべきは日本特有の春から夏にかけての湿気を

コントロールする事です

梅雨の時期でも室内で洗濯物が乾く・・・

現代建築では考えられない土壁の底力です

 

断熱材として室内の外と中を隔てる役割の土壁は

その主たる役割以外に多くの副産物をもたらします

おそらく機械に頼らないと暮らせなくなった部分の

大半を補いそれ以上に効果的といっても

過言ではないと思います

 

 

こうして伝統工法の要の一つ土壁が作られます

 

石で作る基礎 石場建て

土で作る瓦と土で作る屋根

土で作る壁 土壁

 

このように造られる建物は

工場で作られるものが一切ない時代から

自然素材のみで造られてきました

 

自然環境になじみ数百年の長きにわたり壊れず

住まう人が快適で健やかに安心して気持ちよく暮らせる

日本に伝わる建築文化・・・これが伝統工法です

 

土壁の芯になる荒壁ができると

続いて木工事に進みます

土壁を守る木の外壁などを作っていきます